小学生にメタボ診断とは

中日新聞は1月10日、小学生にメタボ診断 愛知県、新年度から実施と題する記事を掲載していた。


いわく「メタボ対策は子どものうちから−。小学生を対象にしたメタボリックシンドローム内臓脂肪症候群)の診断と生活習慣の改善指導に、愛知県が乗り出す」とのこと。「肥満の子どもが増える中、新年度から3年間にわたり、モデルに選んだ4年生数百人のおなか周り(腹囲)や血糖値などを測り、改善指導が結果に結びついているかを継続して調査」するらしい。


「メタボ対策は子どものうちから」って、新たな市場の開拓かよ。
じゃあ、愛知県でどんだけ肥満が増加しているのか、と思って記事をつぶさに見ていくと「文部科学省の学校保健統計調査によると、2007年度、肥満傾向にある子どもの割合は、小学4年生で9・22%と、約20年前の1989年(7・25%)に比べ約1・3倍に増加。愛知県では07年度、肥満傾向にある小学4年生は8・62%だった」との記述。


全国的にもこの20年間で2ポイント足らずの増加に過ぎず、愛知県は全国平均を下回っている。これは、煽り過ぎじゃね。ちょっと前まで、欠食児童やダイエット児童が問題になってなかったっけ?


中日新聞より引用:

小学生にメタボ診断 愛知県、新年度から実施
2008年1月10日 夕刊
 メタボ対策は子どものうちから−。小学生を対象にしたメタボリックシンドローム内臓脂肪症候群)の診断と生活習慣の改善指導に、愛知県が乗り出す。肥満の子どもが増える中、新年度から3年間にわたり、モデルに選んだ4年生数百人のおなか周り(腹囲)や血糖値などを測り、改善指導が結果に結びついているかを継続して調査。効果的な予防策や生活習慣の確立を目指す。
 子どものメタボ診断は昨年、厚生労働省の研究班が6−15歳を対象にした診断基準案をまとめた。県によると、自治体が実際に集団で小学生を診断し、継続して指導するケースは初めてという。
 研究班の診断基準では、腹囲が小学生で75センチ以上、中学生で80センチ以上あり、血圧や血液検査で基準値を上回る項目が2つ以上あると同症候群と診断される。
 県は県内の1つの市をモデルとし、市内の全4年生を対象に腹囲や血圧、空腹時の血糖値、検尿などの検査を年1回実施して、研究班の基準に合った子どもを選定。あいち小児保健医療総合センター(大府市)の医師や保健師、栄養士らでつくる専門家のチームが毎日の食生活や運動メニューなどを個別に指導する。基準に達していなくても、数値が高い“予備軍”の子どもも指導対象とする予定だ。
 同センターは検査値の推移や指導結果を分析し、県独自の診断基準や運動・栄養療法を研究する。
 子どもがメタボ対策に取り組むことで、メタボ世代の親の意識も高めようと親子の調理実習やスポーツ教室の開催も計画、全世代にわたる生活習慣病対策を進める。
 3年間はモデル事業として1市だけで行い、成果を確認しながら他の市町村などへ広げていく。
 ただ、医学関係者の中には「子どもの成長には個人差があって、一定の基準に当てはめるのは医学的に無理がある」「メタボと診断された子がいじめられる可能性がある」と子ども対象の診断を疑問視する声もあり、県は柔軟な診断基準の運用や、プライバシーを守る通知方法を考えていく。
 文部科学省の学校保健統計調査によると、2007年度、肥満傾向にある子どもの割合は、小学4年生で9・22%と、約20年前の1989年(7・25%)に比べ約1・3倍に増加。愛知県では07年度、肥満傾向にある小学4年生は8・62%だった。