衣服の上から打つことへの見解

日本イーライリリーがDiabetes.co.jpという糖尿病情報サイトを提供している。このサイトには、ドクターインタビューというコーナーがあり、インスリンをズボンやシャツの上から打ってもかまいませんか?という設問に対して、医師が回答していた。


それによれば、「Diabetes Care というアメリカ糖尿病学会の医学雑誌(vol.20, No.3, March, 1997)に、通常の方法と、衣服の上から消毒をせずに注射した場合の比較を、42人の患者さんが参加して2つの方法で交互に10週ずつ20週にわたり注射した結果が報告されました。その結果2つの方法の間には感染やHbA1cの値の差は認められませんでした」ということらしい。


つまり、衣服の上から打っても問題ない、というエビデンスはあったのだ。でもなあ、1997年当時にはナノパスはなかったわけだし、たった10年前とは言え、インスリン注射の状況は相当に変化している。たぶん、超速効型インスリンもなかったのではないか?だから、この結果を以て、現在打っているラピッドやミックスも衣服の上から打っていいということには必ずしもならないはずだ。衣服の上から打つのなら、それ用のナノパスを開発してもらわないと、という感じである。